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〜なぜ香りは記憶を呼び出すのか〜 香りのサイエンス No.1
交通事故で記憶喪失になり、親すらも思い出せない少年がある日突然、バラの香りを嗅いだ時、自分の過去の記憶が甦ってきた、という事例があります。
そうでなくとも皆さんもある香りから、連鎖的にその時の記憶が甦ってくるという経験があると思います。これを専門用語でプルースト効果と呼ぶそうです。 また、匂いにまつわる思い出は、視覚や聴覚を通して感じたものより、ずっと長い間
記憶に留まることが出来ることが実験によって証明されているそうです。
香りの記憶
なぜ香りはこのように記憶と密接に結びついているのでしょうか? その答えは少し難しい話になりますが、脳の構造にあります。 香りの刺激は嗅神経を介して大脳辺縁系という箇所に直接伝えられるそうですが、この大脳辺縁系というのが、感情、性欲、食欲などの本能を司るところでもあるのです。
人間の脳の中では最も原始的な脳なわけですね。 視覚や聴覚など、嗅覚以外の感覚は大脳新皮質という接続部を通過して大脳辺縁系に入るのに対して、嗅覚による嗅神経は、直に大脳辺縁系に到達するため、感情と深く関係します。
だから、感情が入り込んだ“香りの記憶”は長い間風化 しないどころか、同じ香りをあるきっかけで嗅ぐことによって、その思い出が一瞬のうちに甦ってくるのです。香りは思い出にしみこんでいるわけですね。
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