
第二回/マッチ原材料から世界へ(続編)
我々の祖先が350万年前、森から出て草原を歩きはじめた頃から人間の脳に変化が起こり大脳新皮質といわれる人間だけに備わった上級の脳が発達し、地球の生物の王者となっていったのです。
その人間が歩く、走ることで脳が活性化していく大切な靴とその素材の開発に挑戦する毎日が続きました。
ちょうど、ベトナム戦争が終わり、アメリカにヒッピーや麻薬や肥満等満ちあふれ有酸素運動が提唱され、その代表がジョギングでした。
平常運動していない人々が土からアスファルトやコンクリートに変わった道路を走り廻ったので、当然、足、腰、首に至るまで故障者が続出しました。
ペンシルヴァニア大学のピーター・カバナー博士は走りによる人間のバイオメカニックスの研究を発表し、世界のスポーツシューズメーカーがこぞって新しいシューズの開発に挑戦し始めました。
それには今までの靴に使われていなかった新素材の開発が求められたのです。
ショック吸収性、反発弾性、着地後のブレ防止性、耐スベリ性と磨耗性、軽量化、その他内装材や構造における吸汗発散性、足裏の熱放散性、足と中敷の密着性とムレ防止性、等過去にそこまで考える必要のなかった部分にまで細やかに新しいコンセプトを要求されたのです。
アディダス、ナイキ、リーボック、プーマ、アシックス、ニューバランスと、世界の有名ブランドシューズが新しいジョギングシューズやマラソンシューズの開発に血まなことなりました。
その時、日本から世界のトップシューズメーカーに素材を売るという、過去誰もなしえなかったことに挑戦し、超軽量機能底材開発で成功しました。
そのことは、前の報告のナイキシューズでオリンピックマラソンで涙の優勝につながったのです。
その後、バイオメカニックス研究所で良い靴を履いて、良い走りを続けるとある時点で、脳波がアルファ波になり、これをランナーズハイと呼び、疲れを感じなくなるときがあることが解りました。
今から思えばこのことは、脳内に神経伝達物質であるドーパミンやβ・エンドルフィン等が出ることで普通考えられない集中力やパワーが出ていたのです。
→次号へつづく
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